魂の八重垣を編む ―― 奪わず、閉じず、ただ在るために

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意識が温泉の間から
現実へと戻る境界で、
小さな戸惑いが
生まれることがあります。


何かを表現しようとしたとき、
誰かと向き合おうとしたとき、
胸の奥に冷たい風が吹き抜ける。


風鈴の音もなぜか鳴らない時


「自分には、
まだ実力なんてないのではないか」


「発信をすれば、
誰かに魂を吸い取られてしまうのではないか」



あるいは、もっと深い淵で。

「私自身が、無自覚に
誰かから奪っているのではないか」


そんな風に揺れ、震えてしまうとき。


今、この「未来型の庵」から見える景色を、
そのまま言葉に滲ませてお伝えします。




一、実力とは「静寂の厚み」のこと



私たちは、何かを成し遂げるための「技術」や、
人を論破するための「知識」を
実力と呼びがちです。


けれど、未来型という道を歩む者にとっての実力とは、
その次元にはありません。


実力とは、どれだけ深く「独りの時間」を愛し、
「静寂の蓄財」を深めてきたか、
その一点に尽きます。



言葉をぎっしりと詰め込み、
正解で塗り固めた表現は、
一見強く見えますが、実は最も脆い。


なぜなら、そこには相手が奪うための
「取っ手」が付いているからです。


あなたが独りで静かに積み上げた「気配」は、
誰にも奪うことはできません。

それは、技術ではなく
「存在の重力」としてそこに響くからです。




二、「好き嫌い」の先に「隙(スキ)」を置く



奪われることを恐れる人は、
鉄壁の城を築こうとします。


けれど、隙のない完璧な構えは、
かえって「奪いたい」という
餓鬼の心を刺激します。



私たちが大切にすべきは、
九字の教えにある「隙(スキ)」です。



誰もが自由に出入りできるけれど、
なぜかそこにあるものを持ち帰ることはできない。


京都御所の八重垣のように、
風が通り抜ける「行間の呼吸」を
添えてください。


中身を差し出すのではなく、
空(くう)を提示すること。



あなたが「何者でもない自分」としてそこに佇むとき、
奪う人は掴みどころのなさに退散し、
共鳴する人はその行間に自らの魂を映し出します。




三、奪う人を「庭の石」として観る



たとえ目の前に、飢えた心で
あなたのエネルギーを求めてくる人が現れても、
戦ったり、救おうとしたりしてはいけません。


「不均衡の調和(歪な和)」とは、
綺麗なものだけを集めることではなく、
歪なものもそのままに、
全体の風景として調和させることです。


その人は、あなたの純度を試すために置かれた、
庭の「歪な石」に過ぎません。


救おうとする「愛」を一度心の蔵にしまい、
ただの風景として眺めること。


その圧倒的な「放任」を滲ませることこそが、
相手が自らの足で立ち上がるための、
最も深い慈悲になることがあります。




四、「奪っているのでは」と揺れるあなたへの救い



もし、あなたが
「自分も誰かから奪っているのではないか」と
怯えているのなら、
どうかその揺れを抱きしめてください。


真に奪う人は、自分が奪っているという
自覚すら持ち合わせていません。



「損得(トク)」の次元にいるときは、
誰かの利益を自分の損失のように感じますが、
私たちが生きるのは「徳(トク)」の次元です。



私で止めず、私を通して、
未来へ流していくことで、徳を深めていく。



エネルギーは外から奪うものではなく、
あなたの内側の「空」から湧き出すものです。



不安になったときは、ただ呼吸に立ち返り、
内なる「生(ウム)」の力を信じてください。



あなたは、すでに欠けているから満ちています。




五、言葉ではなく「気配」で守る



「実力がない」と震えている手で、
無理に剣(言葉)を振るうと疲弊します。


言葉で守ろうとするのではなく、
気配で守りなさい。


自分が「温泉の間」に浸かっているような
心地よさのまま、その「余熱」を
文章に添えるのです。



奪う人は表面的な「熱」は欲しがりますが、
その奥にある深すぎる
「静寂」や「孤独」には耐えられません。



自分の空虚さが露呈するため、
居心地が悪くなって自ら離れていきます。



淡々と、ただ余熱を響かせていく。


その「静かなる重力」が、
あなたを最も深く守ることになります。




結びに



魂を閉じれば、届くべき光を遮ることになる。


魂を売れば、あなたという庭は枯れてしまう。



ただ、八重垣の内側で、
淡々と自分の調べを響かせていればいいのです。



実力がないと震えるその手こそが、
同じ痛みを持つ誰かの手を、
最も優しく握ることができるのだから。



未来からの逆流を信じて。



今はただ、静かな余熱とともに、
最初の一歩を添えてみてください。




 




ーーーーーーーー
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私の沈黙と、彼女の言葉。
その重なりから生まれる余韻を、
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[千聖さんの隠れ家物語]

(※ここから先は、異世界への参道です)


世間の騒音を離れ魂を灯す。黙で生む黄金のご縁の隠れ庵。未来型夢の降るみち。




山籠り重力を分かち合う、もう一つの物語。引きこもりの千聖が贈る言霊の調べ




 

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